放置空き家、税優遇除外で平均負担額4倍

政府は31日、放置された空き家の活用促進策をまとめました。窓や壁の一部が壊れているといった管理不全の空き家を対象に税優遇を見直す。自治体からの改善勧告に対応しない場合に、住宅の固定資産税を減らす特例から外す。中心市街地などに限定して建築規制も緩和する。高齢化で住宅の相続が増えることを見据え、所有者に適切な管理や活用を求める。

国土交通省の有識者会議が31日に提言を示した。提言をもとに政府は空き家対策特別措置法改正案を3月上旬にも閣議で決め、今通常国会への提出を目指す。早ければ2023年度中に対策を実施に移す。

対策の柱の一つが管理体制の強化だ。住宅用地は固定資産税を減額する特例がある。持ち主が空き家を放置する一因になっているとの指摘があった。倒壊する危険のある「特定空き家」は改善勧告に従わなければ特例から外せる。

今回の見直しでは、その予備軍となる「管理不全空き家」を除外対象に加える。壁に亀裂が入ったり、窓の一部が割れたりしている建物を想定する。全国で少なくとも約24万戸が当てはまる。法改正後に指針で具体的な条件を定める。

特例から外れ、平均的な宅地になると所有者が納める税額は4倍程度に増える。空き家は放置期間が長くなるほど防災や景観、衛生上の問題も生じやすい。周囲に悪影響を及ぼす前に早期の建物の改修や売却を迫る。

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